栄養バランスの良い食事を、規則正しくとることが妊娠しやすいからだづくりには大切なことだと思います。
妊娠しやすいからだづくり（睡眠、食事、運動等）の中でも、最も大切なのは食事と考えます。なぜなら、毎日の食事は丈夫な体を作り健康を保つ源だからです。食べたものが血となり、肉となり、体を作るのですから毎日の食事はとても大切です。
妊娠後には、赤ちゃんの健康にもつながることですから、しっかり身体によいものを選んで食べましょう。

ただ、1日の食事の中で必要な栄養素をすべてとるというのは、なかなか難しいかもしれません。
そこで、比較的食事では摂取しきれないものを中心に配合した、当院オリジナルのサプリメントを作りました。
詳しくは診察時にお聞きください。

・葉酸

葉酸は、水溶性ビタミンの一つ、ビタミンB群の一種で、ビタミンB12とともに赤血球の合成を助けるビタミンです。また、代謝に関与していて、DNAやRNAなどの核酸やたんぱく質の生合成を促進し、細胞の生産や再生を助けているため、男女ともすべての年代の人にとって必要な栄養素です。
　胎児の成長にも重要なビタミンで、葉酸が不足していると胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクが高まることが明らかにされているため、厚生労働省では、妊娠の可能性のある女性は、1日に400㎍の葉酸を摂取することを推奨しています。
葉酸は、野菜や柑橘類、レバーなどに多く含まれており、モノグルタミン酸として吸収されます。しかし、食品中の葉酸の大部分はポリグルタミン酸型であるため、モノグルタミン酸として消化吸収されるまでの代謝過程で様々な影響を受け、利用率が低下してしまいます。 これに対してサプリメントなどの栄養補助食品、葉酸添加食品などに使用される合成型の葉酸は、生体利用率が高いため、食事からの葉酸に加えて栄養補助食品などからプテロイルモノグルタミン酸（folic acid）として摂取するよう、推奨されています。

・ビタミンD

ビタミンDは、油脂に溶ける脂溶性ビタミンの一つです。小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進し、またそれによって血液中のカルシウム濃度を保ち、丈夫な骨を作る働きがあります。
ビタミンDにはD2～D7の6種類があり、このうち人にとって重要なビタミンDは、D2とD3です。ビタミンD2 は植物由来で天日干ししいたけ、きのこ類、海藻類などに多く含まれ、ビタミンD3は動物由来で魚肉、肝臓、鶏卵などに多く含まれています。また、D2よりもD3の方が2倍働きが強いとする意見もあり、人は日光を浴びることでD3を生成することができます。
ビタミンD3はカルシウムとリンの吸収促進、骨の形成の促進、の他に、妊娠しやすいからだ作りに役立つかもしれない、という報告もされるようになってきています。

・L-カルニチン

L-カルニチンは肝臓で合成されるアミノ酸の一種で、体内の脂肪と糖をエネルギーとして燃焼させる際、食事から摂取した脂肪をミトコンドリアに運びこむのに欠かせない成分です。そのため脂肪燃焼成分としてダイエットサプリとしても有名です。20歳代をピークに加齢とともに減少し、体内で不足するようになる成分です。
　ミトコンドリアは、体内のあらゆる細胞に存在していて、生殖においては精子の運動、卵子の成熟、受精、分割、孵化、着床に関与しています。精子や卵子のミトコンドリア（細胞）に突然変異が起きると、エネルギー生産に欠かすことの出来ない酵素が作られなくなってしまいます。ミトコンドリア（細胞）の保護と、ミトコンドリア（細胞）へのエネルギーを運ぶL-カルニチンは、精子や卵子のエネルギー産生に大変重要です。

・亜鉛

亜鉛はミネラルで、必須微量元素と呼ばれ、新陳代謝やエネルギー代謝、免疫反応など、体内のさまざまな働きをサポートして正常に保つ役目を持っています。人は体内で作り出すことができず、また余分な亜鉛を貯蔵できないため、食事などから定期的に摂取する必要があります。
亜鉛は赤身肉、鶏肉、牡蠣、エビ、タコなどの海産物に多く含まれています。
亜鉛が不足すると、低身長、味覚の低下、精巣や卵巣の機能低下を引き起こす恐れがあります。特に精子の形成には必ず必要とされるため、体内で不足することがないようにしましょう。亜鉛はビタミンCと一緒に摂ると吸収率が上がります。